兄貴がミカエルになるとき
翌日、リカコは学校に来なかった。

別にお休みでも特に気にかけることではない。

でも、翌日も来なかった。そしてその翌日も、その翌々日も。

1週間が過ぎ、２週間が過ぎてもリカコは姿を現さなかった。

さすがにクラスのみんなが長すぎる彼女の休みを訝った頃、担任の先生から話があった。

「花園りかこさんは体調不良のため、もうしばらくお休みすることになりそうです。でもじきに良くなると思うので、皆さん心配しないでくださいとのお母様からのメッセージです。ただゆっくり静養することがもう少し必要なようです」

「病院に入院しているんですか？」と、誰かが質問した。

「入院はしていません。自宅で休んでいます。今はお見舞いは控えてください」

先生の話を聞きながら、私はフー・ウーの二人をちらりと見た。

先生の話に一身に耳を傾けている様子から察するに、多分彼女たちもリカコがどんな状況なのかはわかっていないようだった。

いったい彼女に何があったのだろう。
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