兄貴がミカエルになるとき
「妹として手放したくないというのが現在の見解として正しいような気もするけど、でも実際に俺と咲季に血のつながりはないから、つまりただの男女なわけだから、実は一女子として好きだという可能性も否定できないかもしれない」
声にならない最大級の「へっ」という驚きの声が心の中で響いた。
衝撃的だ。
「トオルにしては回りくどくてシャッキリしない答えだな」
パパ、そういう問題じゃないんじゃないの?
「ほんと、わかりにくいわね。そんなら私だって、トオルを息子としてほかの女性に渡したくないし、手放したくないけど、事実上私とトオルは血が繋がっていないから、もしかしてそれって男としてトオルを好きなのかもしれない、ってことかしら」
ママもそんな喩えを持ち出して解説してくれなくてもいいから。
え、それは困るよと、まったく困った感のない様子でパパがママを睨むけど、そういう問題でもないでしょう。
「でもトオルが相手じゃ三品君に勝ち目はないんじゃない」
「そんなことはないよ。灯台元暗し。どんなに素晴らしくても近すぎて見えないこともある。ダーリンのこともあるし」
声にならない最大級の「へっ」という驚きの声が心の中で響いた。
衝撃的だ。
「トオルにしては回りくどくてシャッキリしない答えだな」
パパ、そういう問題じゃないんじゃないの?
「ほんと、わかりにくいわね。そんなら私だって、トオルを息子としてほかの女性に渡したくないし、手放したくないけど、事実上私とトオルは血が繋がっていないから、もしかしてそれって男としてトオルを好きなのかもしれない、ってことかしら」
ママもそんな喩えを持ち出して解説してくれなくてもいいから。
え、それは困るよと、まったく困った感のない様子でパパがママを睨むけど、そういう問題でもないでしょう。
「でもトオルが相手じゃ三品君に勝ち目はないんじゃない」
「そんなことはないよ。灯台元暗し。どんなに素晴らしくても近すぎて見えないこともある。ダーリンのこともあるし」