兄貴がミカエルになるとき
-3-
中学を卒業し、モデルという身の置き所が加わってから、私は衣をぺろりと一枚脱いだかのような軽さを感じていた。
身長はまた3センチ伸びた。
1年前の私だったらブルーになって、どうやって背を縮めて歩こうかと悩んでいたはずだけど、今年はそれほどでもない。
178センチなんて大して大きくない世界があるのを知ったから。
モデルになったことは家族と幸っちゃん以外は誰も知らない。
だから相変わらず学校ではデカいとからかわれ、街を歩いていても「あの子、大きい」という視線が突き刺さってくる。
でも自分が特別ではない場所があるから、もう胸がつぶれるほどには落ち込まない。
それにしても日本にいると普通じゃなくて、海外のモデルの中では普通。
普通ってなんだろうと、時折考える。
周りの環境によって普通が変わるなら、結局普通なんてないってことじゃないか。
身長はまた3センチ伸びた。
1年前の私だったらブルーになって、どうやって背を縮めて歩こうかと悩んでいたはずだけど、今年はそれほどでもない。
178センチなんて大して大きくない世界があるのを知ったから。
モデルになったことは家族と幸っちゃん以外は誰も知らない。
だから相変わらず学校ではデカいとからかわれ、街を歩いていても「あの子、大きい」という視線が突き刺さってくる。
でも自分が特別ではない場所があるから、もう胸がつぶれるほどには落ち込まない。
それにしても日本にいると普通じゃなくて、海外のモデルの中では普通。
普通ってなんだろうと、時折考える。
周りの環境によって普通が変わるなら、結局普通なんてないってことじゃないか。