兄貴がミカエルになるとき
「ふふふ」、とまたみんなで笑顔を浮かべ、東宮学園の門に立てかけられた入学式の看板に迎えられ、学園内に足を踏み入れた。

が、そのとたん私はぎょっとして立ち止まり、久美ちゃんは「まじ?」とつぶやいて、美奈ちゃんは「うっそぉ」と私の袖を引っ張った。

私たちの数メートル先に、プリーツスカートを早くもミニスカにして、幼さを感じさせるベビーフェイスならぬベビーレッグ的な足をできるだけ露出して立っている女子がいた。

私は目をつむり、ため息をついた。

なんでまたリカコがいるのさ?

近所のお稲荷さまに日々参拝した御利益か、中学最後の年はリカコと違うクラスになった。
お礼参りもきちんと済ませた。

でも中学卒業後は油断して、足が遠のいてしまったのがいけなかったのか。
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