兄貴がミカエルになるとき
-4-
終了式が終わっても、クラスメートたちはもらったばかりの通信簿をのぞいて、皆きゃあきゃあ盛り上がっていた。
窓の外でギュイギュイ鳴いている尾長鳥よりもやかましい。
そんなクラスメートをしり目に、立ったまま机の上の文具をカバンに詰め込んでいると、突然背中に衝撃を受け、そのはずみに手にしていたノートと通信簿が床に放り出された。
それもこれみよがしに開いた状態で。
これみよがしに、というのは、私の通信簿は頑張った甲斐あって、自分でも驚くほど5がたくさん並んでいたからである。
振り向くと、色付きリップでてらてら滑った唇を歪めてリカコがにやけていた。
「もう、でかすぎて邪魔。ぼーっと立っていないでよ。ぶつかっちゃったじゃない」
ああ、また嫌がらせか。
ちぇっ、と下品に舌打ちしそうになるのをぎりぎりこらえた。
リカコを無視して慌てて落ちたものを拾おうとすると、その姿を見て彼女の取り巻きがクスクス笑った。
窓の外でギュイギュイ鳴いている尾長鳥よりもやかましい。
そんなクラスメートをしり目に、立ったまま机の上の文具をカバンに詰め込んでいると、突然背中に衝撃を受け、そのはずみに手にしていたノートと通信簿が床に放り出された。
それもこれみよがしに開いた状態で。
これみよがしに、というのは、私の通信簿は頑張った甲斐あって、自分でも驚くほど5がたくさん並んでいたからである。
振り向くと、色付きリップでてらてら滑った唇を歪めてリカコがにやけていた。
「もう、でかすぎて邪魔。ぼーっと立っていないでよ。ぶつかっちゃったじゃない」
ああ、また嫌がらせか。
ちぇっ、と下品に舌打ちしそうになるのをぎりぎりこらえた。
リカコを無視して慌てて落ちたものを拾おうとすると、その姿を見て彼女の取り巻きがクスクス笑った。