【完】MOON STONE ~美しき姫の秘密~


「あ…カンザキ…」


自室に戻るために談話室を通ると


皆が神妙な面持ちで座っていた


「カンザキがmasterに呼ばれたって…」


なんでそんな事知ってるんだろう


「私のせい、だよね?


私が聖蘭なんかに捕まったからっ!」


「セイラ落ち着け」


声をあげるセイラをなだめるルイ


そんな事も他人事に思える


「だって私のせいでカンザキが!


もしも…もしも裏につれていかれたら!」



セイラはぐっと唇を噛み締め


力が抜けたように座り込んだ


"裏"それは夜影の組織。


そして殺し屋、人拐いが最も恐る場所


あそこは…地獄だ


究極のサゾが集まり非人道的な行為を繰り返す


主に違反者や任務を失敗した者が送られる


私は行ったことは無いけど


昔の仲間が任務の失敗で連れていかれたところを見た


そして、その仲間は二度とその姿を見せなかった


「私の問題だから大丈夫


気にしないで」


「カン、ザキ?」


「今日は疲れてるからもう寝るね」


心配そうな皆を無視して自室に戻った


ベッドに寝っ転がり目をつぶる


何も、考えられない


ただ時間が過ぎるのを待っていた


私はここからどこに向かって歩くんだろう


嫌な事を思い出してぎゅっと目をつぶった









コンコン


すると突然部屋のドアがノックされた


「はい」


「カンザキ…俺、ルイ。


入っていいか?」


ルイ?


私はムクッと起きてドアを開ける


「どうぞ


…適当に座って」


「ありがとう」


そして私はドアを閉めた


「それで何?」


私から話を切り出すと


目を伏せたルイ


「カンザキは…いつまでここにいるんだ?」


「………っ」


それはついさっきまで私が考えてた事


心の中を覗かれたようでドキッとした


「俺達は人間だ


失敗しないなんてありえない


…つまり早かれ遅かれ死ぬ運命なんだよ」


そしたら…輝も蒼桜も守れない…?


「俺さ親に売られたんだ


それで人身売買でここに来た


だからいつ死んでもいいと思ってた…


でも今の隊に出会って初めて生きたい


そう思えた」
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