見つめられない
そんな風に見ててくれたんだ。

嬉しいやら、恥ずかしいやら、情けないやらで
もう涙が我慢できなかった。

泣いてる私の頭を撫でて
「あとね…。俺はどうでもいい人とわざわざ時間合わせて電車乗らないから。」

えっ?
どういう意味かと思って顔を上げると

とてもやさしく笑う青木さんがいた。

「…元々背が女の人の中では高いなって思ってはいたんだ。
そしたら痴漢されてたとき、必死に我慢するのを見てさ。
すごく小さく弱く見えた。
俺が守ってあげなくちゃって。

だから必死だったんだ。辛くないようにいろいろ考えて。」

もう止まらない涙。
私の思い違いじゃないよね?

「もうわかるよね?

俺は中村さんが好きなんだなぁって。

…じゃないと電車一緒に乗ったり
一緒に歩いて帰ったりしないよ。」

私の顔をのぞきこんで、

「俺は今、中村さんを抱き締めて
名一杯甘やかしてあげたいんだけど…どうですか?」

ずるいよ。青木さん。なんでそんなに優しいの。

「青木さん…大好きです。」

自分から青木さんに抱きついた。

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