恋は盲目〜好きって言ってよ

彼女を1人残して買い物に出ている間に

彼女は帰ってしまうのではないかと不安

だった。


何かないかとカウンターの上を見ると宅

配ピザのチラシを見つけると水の入った

ペットボトルとチラシを持って彼女の元

へ戻る。


頼んだマルゲリータを美味しそうに口に

運び笑顔を見せる彼女は、お腹を空かせ

ていたことを忘れていたと言う。


そんな彼女が愛しくてつい、からかって

しまう。


「…それだけ、俺に夢中だったんだ⁈…

うれしいな」


そうだったらどんなにうれしいか。


彼女は頬を染め先ほどまで俺と抱き合っ

ていた事でも思い出したのか、さらに赤

面し怒っている彼女。


ころころと変わる表情。


どんな彼女もかわいいと思ってしまう俺

は重傷だな。


どうすれば手に入れられる⁈


心の中でつぶやく自分。


これ程彼女に夢中になるなんて思わなか

った。


今まで側にいた顔とスタイルのいいだけ

の女


そんな女達と関係を持っても俺の心は彼

女達に向かうことはなかった。


1人の女に固執する日がくるなんてあの

頃の俺は想像できてだろうか?



身体を手に入れるためにどんな嘘も平気

だったのに彼女の前では正直でいたい。



俺の心をグッと掴んで離さない愛しい君

に愛を囁く日がくるのだろうか?


嘘のない本当の言葉で伝えるから早く俺

の元に落ちて来い。


目の前のピザに夢中になっている奈々を

見つめ心の奥でつぶやいていた。


帰ると言う彼女を引き止める唯一の方法


「…今日は、一緒にいるって言っただろ

う」


俺、必死になり過ぎだろう⁈


女に振り回されてる俺なんて始めてだ。


このまま部屋に閉じ込めておきたい。


だか、きっとまた彼女を求めてしまう。


だから…デートという名目で彼女を連れ

出した。


デートってどこに行けばいい⁇


デートなんてまともにしたことがないか

らわからない。

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