白い恋の結晶~キミへと続く足あと~

王子のキス



10月。


文化祭当日。


鐘雲高校の、最も大きなイベント。


正門には、生徒会が1ヶ月もかけて作り上げた立派な門が出来ていて、なんだか頭のいい私立の学校になったみたいだ。


校内にはJ-POPやK-POPがランダムに流れていて、すっかりお祭り騒ぎ。


知っている曲が流れると、友達同士急に踊りだしたりする人もいた。


それぞれクラスの出し物を一生懸命にやり、学校の文化祭というよりも、本当に夏のお祭りみたいだ。


あたし達のクラスは劇なので、午前中の出番はない。


だけど、午後にたくさんの人に体育館に集まってもらわなければならないので、みんなで手分けしてチラシを配って回る。


ただ配るだけじゃない。


インパクトを持たせるために、劇で着る衣装のまま、だ。


< 200 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop