白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


あたしは、裾が何重にもフリルが重なったボリュームたっぷりのピンク色のドレス。


手には肘まである白い手袋をつけ、頭には金髪ロングのウィッグ。


足元は、上履き。


だけどロングドレスなので、あたしの足元は全く見えなかった。


ドレスに上履きなんて不似合いにも程があるもんね。


よかった、見えなくて。


ハルは、黒のベストに白いシャツ。黒のパンツを履いて、髪は執事らしくワックスで固めていた。


マキは、胸元だけが白の、黒いメイド服。


そして、柊は……。


白いシャツに、装飾のたくさんついた豪華そうなワインレッドの長いジャケット。


そして、艶のある白いパンツを履いている。


あたしと同じように手元には白い手袋。


王子様だ……。


本当に王子が現れた……。


背も高いし、骨格もしっかりしてるし、顔も整ってるし。


白馬に乗った、理想の王子様だ……。


「見惚れすぎ」




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