白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


証明がパッとつき、客席から拍手が起こる。


クラスメイトたちは舞台の前に移動して、みんなで手をつなぎ頭を下げて挨拶をする。


だけどあたしはひとり、唇を触ったまま、放心状態だった。


柊をチラリと盗み見ても、彼は何事もなかったかのようにクラスメイトと劇の成功を喜び合っていた。


キスは、あたしの勘違いだったんじゃないかって思うくらい、柊は普通だ。


よかった、証明が落ちてて。


誰にも見られてなかったのが、唯一の救いだ。


だけど、これからどうしよう……。


どう、柊と接したらいい?


告白、しようにもできなくなっちゃったじゃん……。


柊のバカ……。


さっきのキスの意味はなに?


ただの事故……?




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