白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
「あのさ、マキ……」
「ん?」
「話があるの……自分ひとりで今まで考えてきたけど、やっぱりどうしたらいいのかわからなくて……」
あたしが小さな声で言うと、マキはため息交じりに頷いて微笑んだ。
あたしは、教室では話しづらいとマキに言い、人気のない屋上前の階段に移動した。
昼休みなのに、この場所は本当に静かだ。
階段にふたりで腰掛け、あたしは豪快にため息をつく。
「なになに? 最近本当にため息ばっかり」
「……うん。一大事だよ」
「は? 一大事?」
マキが顔を前につき出して眉を寄せる。
「文化祭で、ちょっとね……」
「え? まさか、古賀くんと喧嘩でもしたの?」
「そうじゃないよ。喧嘩のほうがまだいいかもしれない」
あたしが言うと、マキは益々意味がわからないといったように眉間のシワを深くした。
「なんかあったんだろうなとは薄々思ってたけど、やっぱり何かあったんだ。最近、あんまり古賀くんと話してないでしょ?」
「……うん。さすがに、話しづらい」