白い恋の結晶~キミへと続く足あと~
ああ……まぁ、そうか。
だけど、今はそういう気分じゃない。
自分たちが会話してたんじゃ、後ろの声が聞こえなくなるし……。
自分から柊に話しかける勇気はないから、誰かとの会話を盗み聞きするしかないんだ。
情けない……。
ふ~ん……そっか……。
前住んでたところの近くに引っ越してきたんだ。
小さな田舎町なのに、最近近所に引っ越して来たなんて、気づかなかったな……。
学校からあたし達の家までは、徒歩20分程度。
だけど、こうやって話しをしながらゆっくり歩いていると、30分、40分経ったりする。
あたしなんて特に、登下校の時にあの木の下で立ち止まる時間も必要だから、他人よりも多く時間がかかってしまう。
ずっと道路沿いを4人で歩く。
ちょっかいを出しても何も反応しないあたしに呆れたのか、ハルは静かに歩き、あたしに話しかけてくることはなかった。
後ろのふたりも、無言。