LOVEPAIN
嘘つきな大人


「あら、広子ちゃんじゃない?」


背後から甲高い女性の声が聞こえ、

私をはじめ、
成瀬と篤もその声の主の方を振り返った


私の名を呼んだのは、

以前住んでいたマンションの同じ階に住んでいた中年の女性


その女性の横にはその女性の夫も居て、

その男性は私の顔を見ると
気まずそうに顔を背けた



この人達に会う前に
こんな場所から早く立ち去れば良かったと、

後悔してしまう


本当に昨日から、
私の周辺はどうかしている


< 136 / 478 >

この作品をシェア

pagetop