LOVEPAIN


「お前さぁ、てんぱってる?
俺とこんな狭い車内で二人っきりになって?」




いいタイミングで信号は赤になり、

車は止まる



今度は顔も体も、
成瀬は私の方に向けている



言われてみると、
普段よりも心拍が速い気がする


意識すると、
さらにそれは速くなる



さっきまで、
会議室でずっと二人っきりだったのに、

今はその時とは違うような雰囲気が流れている


なんとなくだけど、
この車内の空気が張り詰めているような




「俺も緊張してるから、

どうでもいい事ばっかり話し掛けてくんな」



至近距離で成瀬と目が合い、逸らせなくて、
逸らしたくもなくて、


吐きそうなくらいに、
緊張してしまう




「――すみません」


そう呟くと、
それが可笑しかったのか、

緩んだように成瀬はくすり、と笑った




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