最悪から最愛へ
出てくる直前まで言い合っていたから、渚の気分は最悪だった。運転しながら何度考えてもイラつくだけだった。

「何かあったのか?」


不機嫌な娘に父親は眉をひそめる。


「なんか結婚を早まったかもしれない。峻ったら、分からず屋なのよ。お父さん、お母さんも聞いてよ」


イライラしている時は吐き出すのが一番。両親は娘の愚痴を真剣に聞く。娘が不幸になっては困るから。


「ドレスを着るのが夢だったのに。そんなに若くないけど、やっぱりね、憧れるんだよね」


「でも、白無垢もいいわよ。私たちは神前だったけど、厳かな雰囲気で良かったわ。ね、お父さん」


「んー、でも、俺は両方見たいな。渚は何を着ても似合うと思うんだけどなー」


親バカ全開である。娘には何着でもドレスを着せたくなる。父親にとってはいくつになっても娘は一番のお姫さまだ。


「でも、峻さんが和装がいいと言うのならそれでもいいじゃないの。その後、食事会するのだから、その時にドレスを着たら?」
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