ミホと空の珈琲な日常

謎の珈琲の理由と空とマスターの関係

「マスターの入れたての珈琲飲みたいな~。」

空は、雲一つない空を見つめながら言った。

あれは、4ヶ月前こと。空は高校に入学する前日、高校入学の報告を兼ねて行きつけの喫茶店のマスターの所に行く途中不慮の事故で両足を失ってしまった。

ブ~ブ~、携帯のバイブ音

「もしもし、空?・・・どうした?」

空からの着信だったが、マスターの携帯からは、空の声がしない

「どうした、空。なんか有ったか?」

「マスター・・・・・・おっ、俺・・・高校入学出来たよ。」

マスターは、空の哀しい声から高校入学と同時に何か哀しい事を察した。

「どうした?・・・・・・」

「俺、足無くなっちゃった。マスターの所にもう行けなくなっちゃった。でも、マスターの珈琲飲みたいよ。」

マスターは、携帯越しの空の言葉に同様を隠せずお客の目の前で涙を堪えることが出来ず泣いてしまった。

その後、マスターは泣きながら、

「空、待ってから。俺は、お前の為に美味しい珈琲を毎日入れて待ってから。」

マスターは、泣きながら空に言った。
しかし、空からの返事は無くその後すぐに電話は、切れてしまった。

マスターと空の関係は、マスターが喫茶店を始め1番最初の客であり、マスターの家族が火災事故によって亡くなった時、そばにいて支えたのが空だった。空は、マスターにとって家族であり、歳の離れた親友でもあった。

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