あの頃の君へ〜eternal love〜
『さっみぃ…!』



そう独り言を吐いて誰もいない
道路を前にタバコを吹かせた。



ここは初めて蘭と出会った場所。



一人になってようやく
俺は彼女の事を思い出した。



『アイツ、どこ行ったかな…?』



何度ケータイを見ても相変わらず
彼女からの連絡はなかった。



あのシャンパンもケーキも
部屋に置きっぱなしのままだ。



けれど、



今の俺には不思議なくらい



寂しさも悲しさも
愛おしいという気持ちさえも



どこかへ消えてしまっていた。



空を見上げるとほんの少しだけ
雲間から朝日がさしこんでいて



この薄暗い世界もゆっくりと
その光に染められていった。
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