あの頃の君へ〜eternal love〜
仲村と別れた後、俺はすぐに
財布から例の名刺を取り出した。



『住所的には、、この辺か…?』



名刺に書かれた住所を頼りに、
賑やかな歓楽街へゆっくりと
足を踏み入れた。



見慣れているはずの夜の街。



それが、今日は全く違う場所へ
やってきたように感じる。



『お兄さ〜〜ん!』



『キャバクラどぉ〜っスか〜!?』



『今なら1時間5000円で
飲み放題ですよ〜♪』



いたる所で目に入る、
スーツ姿の客引きたち。



昨日までの俺には
まるで無縁だった世界。



まだ見ぬ未知の領域に
飛び込む事への恐怖心。



しかし、
それを見てみたいと思う好奇心。



二つの感情が入り混じって、
俺の鼓動はドクドクと
次第に早さを増していく。
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