あの頃の君へ〜eternal love〜
有無を言わさず彼女の手を強引に引いて



二人は猛スピードで師走の街を
駆け抜けていった。



全身を真冬の冷気に晒されながら
しばし強い雨に打たれ続けて。



ようやく自宅を前にして



氷のように冷え切った指先で
自室のドアを開けた。



『はい、どーぞ。』



『おっ、お邪魔しまーす…!!』



彼女を先に部屋へ通すと、リビングにある
黒いレザーのソファへ座るように伝えた。



その間、俺はキッチンで
お湯が沸くまで待つ事にした。



時々、向こう側へ視線をやると



彼女は終始落ち着きのない様子で



目をキョロキョロとさせながら
部屋中を見回していた。



どうやら少々緊張しているようだ。
< 968 / 1,028 >

この作品をシェア

pagetop