あの頃の君へ〜eternal love〜
その日を境に外は日に日に寒さを増し
いよいよここ東京も本格的な冬を迎えた。



外を歩けば街中がイルミネーションの
光で美しく輝いている。



すれ違う人々の表情もまた
笑顔に溢れイキイキとしていた。



ただ、



毎年同じような風景を見続けてきた
俺からすれば正直ウンザリする季節だ。



みんな何をそんなに浮かれているのかと。



もう30を過ぎている俺には
そんな風にしか思えなくなっていた。



クリスマスなんて
ただの行事に過ぎないのに。



そんな俺の傍で
大勢のカップルたちが手を繋ぎ



駅前に設置された巨大なツリーを
幸せそうに眺めていた。



俺は一人呆れ顔で溜め息を漏らした。



“今日はもう帰ろう“



そう思い彼らに背を向けて



いつもよりずっと早いペースで
自宅を目指した。



俺にはやっぱり
クリスマスなんて無縁だ。



そう言い聞かせながら。
< 999 / 1,028 >

この作品をシェア

pagetop