BEAST POLICE
巽の表情が硬くなる。

「どういう意味だ…?」

『彼女、可愛らしいですよねぇ…流石人気絶頂のアイドルだ…スタイルも抜群だし人当たりもいい…芸能界で引っ張りだこなのも分かりますよ…そんな彼女が…』

電話の向こう、男の声色が変わった。

『突然行方不明になったりしたら、大騒ぎになるでしょうねぇ…』

巽が聞き耳を立てると、微かにくぐもった女の叫び声のようなものが聞こえてきた。

「…俺に何をさせたいんだ?」

『流石巽さん、話が早い』

男のほくそ笑む表情が目に浮かぶようだった。

『一丁目に新藤ビルという使われていない雑居ビルがあります…そこでお待ちしていますよ…来るなら早い方がいいと思いますよ…?』

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