BEAST POLICE
そんな藤原の目の前で、鬼首は着ていたTシャツを脱ぎ捨てた。

露わになった上半身には、大小無数の傷が刻まれている。

ドスで刺された傷、銃創、刀傷、鈍器で殴られた傷。

彼がこれまでに経験してきた喧嘩一つ一つを物語るようだった。

そして、そんな傷だらけの背中に彫られた入れ墨…。

夜叉の彫り物だった。

見る者全てを圧倒するような彫り物。

若くとも、鬼首が極道である証。

「決着つけようじゃねぇか、かかって来いやコラァッ!」

「いきがりよってからに…死にさらせやボケがぁっ!」

怒号と共に藤原が走り出るが。

「!?」

その藤原の横っ面に、巽が拳を叩き込んだ!

「…巽?」

驚く鬼首を他所に。

「三下の相手は俺がしてやるよ、オッサン」

巽は藤原と対峙した。

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