BEAST POLICE
「悪ぶるな」

倉本は巽に言う。

「お前自身が平気でも、お前が手を汚す事を悲しむ者もいる…そうだろう」

倉本の言葉で、巽の脳裏に環の顔が浮かぶ。

「貸せ」

巽に手を差し伸べる倉本。

それでも躊躇する巽を。

「!!!!」

倉本は殴り飛ばし、半ば強引に狙撃銃を奪い取った。

…かくして午前9時52分、青年が乱射を一時中断し、武器を持っていない状態でデッキに出て警察官らへ向かって何か叫んでいた際に40メートル離れた防波堤に待機した倉本が青年に一発射撃した。

青年はその直後にその場に崩れ落ちた。

船長が聞いた青年の最期の言葉は『死んでたまるか、もういっぺん』であったという。

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