BEAST POLICE
しばしの沈黙。

睨み合う巽と鬼首だが。

「巽さん」

鬼首は呟く。

「俺らぁ昭和の任侠精神を持つ生粋の武闘派ですよ…クスリ売ってシノギにするなんて、堅気のモンに迷惑かけるような真似はしちゃいませんよ」

「…そうか」

意外にもあっさりと、巽は踵を返す。

「お前のその任侠精神とやらに反する、薄汚ぇクスリ売ってシノギにしてるような腐れヤクザがいたら、俺んとこ連絡してくれ…薬物なんてのは、持ってる奴も売る奴も買う奴も屑だ…なぁ、鬼首…?」

「……」

巽を睨んだ後。

「同感です」

鬼首は頷いた。

< 89 / 490 >

この作品をシェア

pagetop