【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】
自分が失恋した場所を絵画にするのも少々複雑だが、確かにあの桜の木は申し分ないほど立派で描き応えがあるだろう。

きっとあの桜をモデルにする人は他にもいると思う。

まるで主人と召使、曽根くんに絶対服従な立場を強いられている私は、素直にその提案を受け入れることに。

そうして資料を手に入れるべく、桜の木の写真を撮るため翌日の部活後に待ち合わせすることになり、現在に至るわけだけど。


「曽根くん遅いなぁ……」


中々曽根くんがやってこないものだから、もしかしてすっぽかされた!?と不安になる。

念の為と思い、陸上部であろう一年生に曽根くんの存在を確認したところ、更衣室で漫画を見ているとの情報を得れた。おい、どういうことだ。

しかし男子のテリトリーに乗り込む勇気のない私は、仕方なしにその場にしゃがみ込んで曽根くんを待つことにした。
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