ずっとずっと、好きでした。【短編】
告白
「どうした?やっぱり何かあったのか?」
片付けを終えた後、先輩はちゃんと残って私の元に来てくれた。
それだけで涙が溢れそうになった。
「……立花先輩。私がこの高校を受験した理由、前にお話しましたよね?」
「確か、俺のクラリネットの音が好きだから……だっけ?」
「はい。でも、それだけじゃなかったんです」
「え……?」
小さく深呼吸をする。
最後だから。これで、憧れるのは最後にするから。
「私、ずっとずっと、先輩のこと好きでした」