恋のはじまりは曖昧で
考えれば考えるほど私の顔はバカ正直に赤く染まる。
だって“好き”以外の感情は持ち合わせていないから。
田中主任のこと『好きです』と言えたらいいけど、それがどうしても言えなくて……。
「そんなに真っ赤な顔をしてるってことは、俺のことを少しは意識してくれてると思っていいのかな」
指摘され、思わず両手で頬を隠す。
恥ずかしさがどんどんこみ上げてくる。
「顔、隠さないで」
田中主任が私の手を掴み、顔から手が離れていく。
そして、反射的に視線を田中主任に向けると熱っぽい瞳で私を見つめてきた。
「正直、手遅れになったら嫌だから言うけど……。俺は高瀬さんのことが好きだ」
え!?
今、なんて言ったの?私の聞き間違いだろうか。
うるさいぐらいに心臓が早鐘を打ち、息の仕方を忘れてしまいそうだ。
ちょっと待って。田中主任が私のことを好き?
あり得ない展開に頭が真っ白になる。
私は夢でも見ているんだろうか。
「嘘っ……」
信じられなくて私の口から本音がポロリと漏れる。
だって、こんなことがあっていいの?
「嘘じゃない。本当に高瀬さんのことが好きだよ」
真っ直ぐに私を見つめ想いを伝えてくれた。
田中主任の真剣な表情から、それは嘘じゃないというのは感じ取れる。