seasons.（シーズンズ）【完】
「そういえば秋人くんと初めて話したのここよね」

「はい」

「あの時の秋人くんのボケっぷりには驚かされちゃったっけなぁ」

「僕何か面白いこと言いましたっけ？」


飛び降り見物とか言ったのはどこの誰よ。

まったく、自覚ないなんて本物の天然なのね。


「でもあの時秋人くんが来てくれなかったら今のあたしはいなかったわ。本当に感謝してる」

「どういたしまして。僕も芳賀さんとこうして会話できる日がきてくれて嬉しい限りですよ」


二人顔を見合せて笑い合う。

偶然だったけど二人きりになれて幸せだった。


「もうすぐ修学旅行よね」

「その後は学校祭。テストもありますね」

「げ。テストの存在忘れてたわ」

「忙しくなりそうです」

「ほんっと、参っちゃうわ」


この幸せがいつまで続くかなんて保障はないけど、それでもあたしはまだ諦めたくなかった。

やるべきことはまだ残ってる。

まだいける。

まだ終わらせられない。
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