seasons.(シーズンズ)【完】
芳賀さんは進藤くんに想いを寄せているとの噂もある。
結局のところ、自分の都合に合わせて仕方なく動いているってこと。


「……進藤くんのためなんでしょ」
「う」


問えば若干怯む仕草を見せる芳賀さん。
ほら、図星じゃない。


「そりゃ否定はできないわ。でもアンタと仲良くしたいってのは本当の話よ。興味があるの。いつも本ばかり読んでるからどんな子なのか」


それで?色々聞き出して陰で面白話として嘲笑うつもり?
進めていた足を一度止め芳賀さんと向き合った私は、冷たい眼差しを投げかけた。


「……信じられないよ」
「へ?」
「私、あなたの言っていることが信じられない」


もうあんな思いをするのは嫌。
だったら最初から関わりたくないの。
それだけ伝え終わるなり、早足で先を行く私に芳賀さんは叫んだ。


「あたしはアンタのこと信じてるわよー!」


その言葉に少し……ほんの少しだけ、心が揺らいでしまったなんて、今日は疲れているのかもしれない。
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