間違いからはじまる


「サイテー」



「バーカ。お前もやる気満々だったぞ」



「そ、そんなことないし!」



「いーや。俺の名前を呼んで何度も達してたしな」



「やめて!もう聞きたくない。とにかくアレは無かったことにして」



「断る」



憮然とした態度で私を睨む都築を目の前にして呆気にとられた。この男は本当になにがしたいの?



このネタを元に私を脅迫するつもりだろうか。いや、私より稼いでいる都築にそれはあり得ない。だとしたら…ただの嫌がらせってわけね。やっぱりこの男は最低なんだ。



「あーもーどうでもいい。勝手にすれば?私は帰る」



「あのなぁ、簡単に帰すわけないだろ」



ソファーから立ち上がった私の肩を都築に押さえられてまたソファーに沈みこむ私。



その上から覆い被さり、口角を上げ獲物を捕らえたような瞳に私は動けなくなった。

< 11 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop