間違いからはじまる
「サイテー」
「バーカ。お前もやる気満々だったぞ」
「そ、そんなことないし!」
「いーや。俺の名前を呼んで何度も達してたしな」
「やめて!もう聞きたくない。とにかくアレは無かったことにして」
「断る」
憮然とした態度で私を睨む都築を目の前にして呆気にとられた。この男は本当になにがしたいの?
このネタを元に私を脅迫するつもりだろうか。いや、私より稼いでいる都築にそれはあり得ない。だとしたら…ただの嫌がらせってわけね。やっぱりこの男は最低なんだ。
「あーもーどうでもいい。勝手にすれば?私は帰る」
「あのなぁ、簡単に帰すわけないだろ」
ソファーから立ち上がった私の肩を都築に押さえられてまたソファーに沈みこむ私。
その上から覆い被さり、口角を上げ獲物を捕らえたような瞳に私は動けなくなった。