ヤンデレなら、病んで下さい!

「呉服屋さんを探しているのですが」

「そ、それなら、そこの通りを真っ直ぐ行けば、看板がありますから、そ、その通りに行けばっ」

「ああ、あなたの前に道を聞いた人にも同じことを言われたのですが、その看板が見当たらなくて。また駅に戻って来たんです」

「えっ、なかったんですか!」

その呉服屋さんのお店自体は見たことないけど、こちらにあります的な看板ならよく見るのに。看板外しちゃったのかな。

「もし宜しければ、だいたいの場所を教えてもらえませんか。母からその呉服屋に予約した物を取ってきてほしいと頼まれたもので」

笑いながら困ったとした表情は、見過ごせるものじゃない。

「すみません、そこまでお願い出来ますかね」

そう言って、私の手を取る男性。少し驚いたが、優しげな顔で柔和される。

看板があった位置なら覚えているし、そこまでこの人を案内ーー

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