ヤンデレなら、病んで下さい!

ーー

とりあえず、声をかけられるために駅前に行きましょうとの案で来たわけだけど、そんなすぐにはナンパされるわけもない。

二人より一人でいなきゃ意味がないと、紅葉ちゃんは明後日の方角から私の様子を見ている。


「ねえねえ、君ーー」

「失せろ、短足」

なんて、紅葉ちゃんの手本もこれで三回目。私もあんな風に出来れば良いのだけど。

というか、私の見た目はそれほど可愛い訳じゃない。男性が声をかけてくるのは、それこそ『簡単な女』といった雰囲気を出しているからだろう。

どんくさいのって顔に出るのか。ちょっと眉を寄せれば、気が強い女性に見られて、誰からも。

「すみません」

「はい!?」

いきなり声をかけられたもので、声が裏返る。

驚き見れば、中年の男性が立っていた。

「道を聞きたいのですが」

「え、あ、はい!」

困っている人なら、断るわけにもいかない。
ただ、人見知りが激しいため、初対面の人と話すとカミカミになるのが難点だった。

きちんと断るはともかくとして、スムーズに道を教えられる特訓にはなるかもしれない。

どうか、知っている場所でありますように!

< 9 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop