俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
人事異動は、4月に大規模な発表がある。
その発表で、今回一番の注目だった亮平の移籍も発表された。
最後の出社では、意外にも涙を見せる人が多くて、お陰でわたしは泣けなかった。
いつの間に、亮平はこんなに慕われていたんだろう。
なんだか、遠い人になったみたいで、寂しいと思う勝手なわたし。
みんなが悪口を言っていた頃は、良さを分からないなんて…って、不満に思っていたのに。
「平瀬さん、編集長…じゃない。高垣課長からお電話ですよ」
亮平のいない会社で、ついボーッとしていたら、 早川さんから声をかけられ我に返った。
「あ、ありがと」
いけない、いけない。
決して暇な時期じゃないのに、ボーッとしてしまった。
「もしもし?お電話代わりました」
それにしても、改まって会社に電話をしてくるなんてどうしたんだろう。
不審に思いながら電話に出る。
すると、
「香乃子、今夜会えないか?」
電話口から、そんな私情丸出しのお誘いをされたのだった。
「ちょっと、亮平。会社の電話でその話?」
思わず声を潜めた。