俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
「へえ、そうなのか?」
編集長は興味が無いのか、鏡でネクタイを確認しながら聞き流している。
「みたいですよ。噂ですけど」
思い出してみると、数人の男性社員が色めき立っていたな…。
その新人ちゃんが、もう入ってくるのか。
まさか、編集長の好みってことはないよね?
いや、そんなことはきっとないわ。
かなり興味なさそうだもの。
「それと平瀬」
わたしが新人ちゃんで頭をいっぱいにしていると、編集長が少しぎこちない口調で声をかけてきた。
「はい、何ですか?」
珍しく遠慮がちな雰囲気だ。
「あのさ、絵美のとこの撮影が終わったら、話したいことがあるんだ。その時、時間貰えるか?」
「はい、大丈夫です」
何だろう。
編集長のことだから、仕事の話なんだろうけど。
こんな遠慮がちに言うということは、まさかわたしの異動!?
それはあり得るかもしれない。
だいたい、新人ちゃんが入ってくるんだもん。
一人抜けても支障はないよね。
もしそうだったら、どうしよう!?