俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!
わたしたちが勤める出版社には、支社の様な別の社屋は存在しない。
今のオフィスに、出版部門や販売部門、それに総務等の事務方が全て入っている。
ただし、グループ会社というのが存在していて、不動産や飲食業といった、わたしたち出版業とは直接関係の無い事業を展開しているのだ。
そのグループ会社を総まとめしているのが親会社で、そこから時々、社員がグループ会社に出向してくるのだった。
ちなみに、わたしも編集長も弥生も、大抵の人たちはグループ会社の社員だったりする。
親会社はIT企業で、ネットなどのメディア関係に強い。
だから、わたしたち出版社への出向がダントツに多いのだ。
そして今回の新人ちゃんも、親会社からの出向だと聞いている。
だから、もしわたしが異動となると、部署替えの可能性が高い。
販売部門か、もしかすると営業部門かも。
そうすると、編集長に会える時間が格段に減ってしまう。
それだけはイヤ。
絶対にイヤだ。
帰りの車の中は、編集長の『話』が何かが気になってしまい、ロクに会話も出来ないまま、あっという間に会社に戻ったのだった。