恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
私は寛の髪に指をすき入れ、夢中で唇を合わせた。
舌を絡め、噛み、歯をぶつけ合い、乱暴にキスをする。

寛は驚かず、冷静に私の行為を受けとめた。
そして、ゆっくりと自分のペースに変えていく。

濡れたキスが身体の奥を滲ませる。
私は寛に縋りつき、キスの愉悦にくぐもった声をもらした。

それが契機だったように、寛が私の身体を抱き上げる。
ベッドに移動し、優しく横たえた。
シャツのボタンがはずされる。
私は真上にいる寛のシャツの衿を開け、首筋に口付けた。


「もう、遠慮しない。二度と、離れる気はないからな」


寛の声が降ってきた。
それは確認ではなく、宣言だった。

声をあげて泣きたいと思った。
同時に安堵感で死にそうになった。

しかし、やがてそれらはどうでもよくなり、私は寛の腕の中で何度となく声をあげ、何度となく達し、意識を遠くに追いやっていった。




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