恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「最短でも二年はあっちだ。琴が俺に対して複雑な気持ちでいるのはわかる。でも、ここで離れたら、俺たちは絶対駄目になる」


「駄目になる自信があるんだね」


「あげ足とるなよ。おまえだって、俺がいなくなるのは嫌だって言ってくれただろ?俺はそれに一縷の望みをかけて言ってる」


「……私たちは、本当に親友じゃなくなっちゃったんだね」


私はうつむきがちに言った。


「私の親友だった寛なら、私がどれほど真剣に仕事してるか知ってるはず。総合職やってるの、理解してくれてたはず。親友なら、私に仕事辞めさせようとなんかしないのに」


「ただの親友だったら、連れて行きたいなんて思わねぇよ」


「それでも、私は一緒に行けない」


私はきっぱりと言い切った。
この言葉は最初から決めていたこと。
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