恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「そりゃ、助かるわ。こっちは気を利かせて手伝ってくれる彼女もいないし、ひとりで困ってたんだよな」


「ま、私は観光メインだから、あんまり手伝わないけど」


「オイ!なんだそりゃ!」


私たちは笑い合い、それから握手した。


「すっごく綺麗になったって言いたいけど、あんまし変わってないな」


「寛は、少し太った?」


「バーカ、ジム通って鍛えてんだよ」


繋いだ手と手が自然と離れる。
その距離感を私は愛しく思った。
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