恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「美味しいお酒と美味しいおつまみが楽しめるお店に連れてって」


「偉そうなヤツ」


「だって、こっちのこと何にも知らないもん。あ、ホテルが金鐘あたりのCホテルだから、方面的にはそっちに近いといいな」


「おまえ、あんな良いホテルに何泊するつもり?俺の帰国来週だけど」


「それまで一週間ちょっと泊まるよ」


「セレブかよ!」


寛がバカにしたように言った。
並んで歩きながら、私はつんと顎をそらす。


「ボーナス貯めてあるもん。こういう時に使わないと、私、無趣味でケチだから使わないんだよ」


「そういうのは貯めたまんまにしとけ。この先使う機会は山ほどあんぞ」
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