恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
寛がゆるゆると目を開けるのが見えた。
きっと、ここがどこか考えている。

すぐに思い当たったのだろう。
近くに私の気配も察したはずだ。

寛が天井を見つめたまま口を開いた。


「琴……、ゆうべは」


「事故だよ」


寛が何か言う前に私は答えた。
あいつが謝罪を口にしたら、すべてが終わってしまう。
私たちが育んできた友情のすべてが。


「こんなこと、事故だよ。忘れよう」


悪あがきみたい。
だけど、私はこんな卑怯な方法しか思い付かない。

事故だから、
セックス1回、
ノーカンにしようぜ
って提案。
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