恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
私は身体の角度を変え、寛を支えやすくすると、起こさないように黙った。
寛は寝息をたてている。
あたたかい身体。
寛の匂い。
優しい寝息と彼の鼓動。
私は奇妙な充足を感じた。
これでいい。
そう思った。
恋人はいたけれど、私にとって寛はすでに大事な唯一になっていた。
寛もまた、大学から付き合う彼女がいたけれど、逆の立場であれば、私を眠らせてくれただろう。
それほどに私たちの信頼関係はできあがっていた。
なんのやましさもない。
私たちは兄弟のように、並んで存在することが自然だった。
互いがかけがえのないものだと、わかっていた。
それは暗黙の了解だ。
私たちはこの時、一番接近したけれど、それは私たちには平穏で幸せな寄り添いだった。
あれほどの清らかな友情を、今の私たちはどこかになくしてしまった。
寛は寝息をたてている。
あたたかい身体。
寛の匂い。
優しい寝息と彼の鼓動。
私は奇妙な充足を感じた。
これでいい。
そう思った。
恋人はいたけれど、私にとって寛はすでに大事な唯一になっていた。
寛もまた、大学から付き合う彼女がいたけれど、逆の立場であれば、私を眠らせてくれただろう。
それほどに私たちの信頼関係はできあがっていた。
なんのやましさもない。
私たちは兄弟のように、並んで存在することが自然だった。
互いがかけがえのないものだと、わかっていた。
それは暗黙の了解だ。
私たちはこの時、一番接近したけれど、それは私たちには平穏で幸せな寄り添いだった。
あれほどの清らかな友情を、今の私たちはどこかになくしてしまった。