恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
*****
鉄道会社の仕事は佳境だった。
すでにいくつかの納品は終わり、食堂車の内装関係と、スイートルームのリネンが残った。
最後にして一番の仕事だ。
6人体制のチームは自然と半分に別れた。
寛と峰くん、事務の大川さんのチーム。
私と越谷さん、事務の原西さんのチーム。
私と寛が別々になったのも、また自然の成り行きで、私たちの不仲を誰が知ることもなかった。
実際、寛とは表面上何事もなかったように接している。
少なくとも私はそう努力している。
寛がどう思っているかはわからないとして。
私たちの関係が今までどおりなら、こんな状態にはならなかっただろう。
「あんた、ホントバカ」とでも罵って、そこからは友人に戻ったはずだ。
安田みたいな二股女との結婚は反対し続けただろうけれど、何かしら理解を示そうとはしたはずだ。
でも、今の私はそんな賢い友人になれない。
寛と寝てしまったから。
鉄道会社の仕事は佳境だった。
すでにいくつかの納品は終わり、食堂車の内装関係と、スイートルームのリネンが残った。
最後にして一番の仕事だ。
6人体制のチームは自然と半分に別れた。
寛と峰くん、事務の大川さんのチーム。
私と越谷さん、事務の原西さんのチーム。
私と寛が別々になったのも、また自然の成り行きで、私たちの不仲を誰が知ることもなかった。
実際、寛とは表面上何事もなかったように接している。
少なくとも私はそう努力している。
寛がどう思っているかはわからないとして。
私たちの関係が今までどおりなら、こんな状態にはならなかっただろう。
「あんた、ホントバカ」とでも罵って、そこからは友人に戻ったはずだ。
安田みたいな二股女との結婚は反対し続けただろうけれど、何かしら理解を示そうとはしたはずだ。
でも、今の私はそんな賢い友人になれない。
寛と寝てしまったから。