恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
「こんな風に、おまえと険悪なの、俺やなんだけど」


私は振り向き、寛を力いっぱい睨んだ。


「あんたの選択が気に入らないって言ったはずだよ。私はバカとは一緒にいられない」


「じゃあ、未衣奈と別れたら、俺と友達に戻るっていうのかよ」


私は目をむいた。

そんなこと、お優しいあんたにはできないクセに。

私が答える前に案の定、寛がうなだれ、言葉を続けた。


「悪い、今の言葉は考え無しだった。無責任なこと、言った。忘れて」


あんたはもっと無責任でもいい。

あんたが無責任になれれば、安田の呪縛からは逃れられる。
そして、私の執着からも逃れられる。


でも、それができるヤツじゃないから、私はあんたを親友だと思ってるんだ。
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