恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
かといって、私が寛に会いたくないわけではなかった。
当然、嫌いになんてなりようもない。


寛に会いたい。

顔を見て、話がしたい。

バカみたいな話がしたい。

そうして笑い合いたい。


私たちの作ったあたたかい棲家みたいな友情。
この会社で、エース部署一課で、私たちが潰されないように作った安心できる巣は、もうどこにもない。

それがたまらなくつらい。

死んでしまいそうに、つらい。



叶うなら、三月前に戻りたい。
寛とセックスする前に戻りたい。


寛と交わした熱病のような夜を無かったことにしてしまいたい。




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