ただ、君の隣にいたいだけ
会釈をくれたお姉さんに別れを告げてファミリーパークを後にした。門を出た瞬間、堪えていた涙が一気に解放された。


失恋を経験したことがないわけじゃない。学生の頃は失恋ばかり。でも、こんなに胸が締め付けられて切なくて、苦しくて痛いのはきっと初めてだと思う。



門に手を掛け、その場に蹲り声を上げて泣きじゃくる。最初は本当に苦手だと思ってた。ズバズバ物を言うし、居場所を奪うまで言われて。


でも、一緒に過ごす時間と彼を知るたびに気になって、気になって。初恋の相手だったと気づいたときにはもう遅かった。


きっと私はいつか必ず伝えてしまっていたと思う。遅かれ、早かれこの結末は決まっていた。私は亮輔さんに振られるんだって。



リュックのポケットに入っている携帯が震えた。それを手に取ると一通のメール。お母さんからだった。亮輔さんが近いうちに家を出るという報告メール。亮輔さんはその理由をお母さんに話したのかな?



そう、だよね。振った、しかも毎日顔を合わせなくちゃいけない女と一緒になんて暮らせないよね。思い出してしまった。絶対に見て涙を誘発するもの。


それでも私の指先は携帯の画面の写真に触れようとしている。今、触れると一番に出てくるのは一番見て辛い写真。
< 118 / 231 >

この作品をシェア

pagetop