ただ、君の隣にいたいだけ
ああ、こんなに美味しいのに誰にも食べてもらえないのか。亮輔さんはあっちでご馳走食べているんだろうな。楽しんでるんだろうな。


いけない、いけない。
マイナス思考はドツボにハマる。



お好み焼きを半分食べたくらいでドンドンと店のドアを叩く音が聞こえてきた。お客さんかな?お母さん開けなくてもいいって言ってたけれど買い忘れかな。


今、開けますと声を掛けて立ち上がりお店のドアを開けた。



「花菜ちゃん、ごめん!!」



突然、視界が見えなくなってギュッと抱きしめられた。どうして?どうしてここにいるの?


ねえ、亮輔さん。今は東京でしょう?



「ど、どうして?」



「電話、繋がらなくなって居ても立っても居られなくて急いで帰ってきた。ごめん。嫌な思いさせて」



亮輔さん、駅から走ってきたのかな。息がまだ荒い。私のつまらない嫉妬なんかで電話を切って亮輔さんに迷惑掛けちゃったんだ。わざわざ帰ってくるくらい心配させちゃったんだ。



「・・・ごめんなさい」



「なんで花菜ちゃんが謝るんだよ?悪いのは俺だよ。二人っきりじゃないとはいえ、女の子も同じ部屋であんな時間から羽目外してさ。勝手に携帯取られて掛けられて花菜ちゃん、嫌な気持ちにさせてさ」



「でも、電話を切ったままにしてたから亮輔さんはわざわざ帰って来なきゃいけなかった。大事な夢のために東京に行ってるのに・・・」



「花菜ちゃん!!」
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