ただ、君の隣にいたいだけ
「・・・可哀想なんかじゃないよ。むしろ、今が一番、いい距離感なんだよ、お互いにね」



「えっ?」



「誰だって毎日、朝から晩まで四六時中一緒にいたら可愛くても疲れることだってあるよ。だから働くようになってママが優しくなったって明海もよく言ってるよ」



「そ、そうなんですか?あっ、そっか。亮輔さんとお姉ちゃんって確か同い年ですよね?だから付き合いがあるのか。そっかそっか」



「・・・気になる?」



はっ?少し意地悪そうな笑みを浮かべた亮輔さん。言ってることが理解出来ず、目が点になる。


この人、一体何言ってるの?気になるわけないじゃない。それなのにそんな聞き方するなんてまるで自分に気があるのかとでも言うような自信。


あっ、そっか。タラシだから女の子はみんな自分に自信があるとでも思うのか。でも、私は絶対にない、ないから。多分。


「あ、あの・・・」




「まっとにかく今日は俺ら二人が明海のママとパパってことにしていようよ。ねっ、その方が明海も嬉しいと思うしね」



「えっ、で、でも・・・」



「明海のためだよ。それにわざわざ否定しなくてもいいじゃない?悪いことをしてるわけでも無いんだからさ」
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