ただ、君の隣にいたいだけ
「話ってなんですか?私、忙しいんですけど」



「あーっ実りのないパソコンでの就活?まあそんなんで仕事探して見つかったら足を運んで毎日、頑張ってる人たちが報われなさすぎだからあり得ないけどね。そんなことより、デートなんだけどいきなりだけど明日でもいい?」



「そんなことって、しかもいきなり唐突すぎます。大体、デートなら他の人と行けばいいじゃないですか。亮輔さんなら私じゃなくても誘えば選り取りみどりですよ」



「あのさ、悪いんだけどそのイメージ忘れて。確かに昔は好き勝手してたけどいつまでもそのイメージでいられたら気分悪い。それに誰でもいいわけないだろ。俺は花菜ちゃんと行きたいんだ。わかった?」



いきなりグッと距離を詰められて顔を寄せられ、真っ直ぐに視線を向けられる。わかった?と聞かれてブンブンと首を縦に振るしか出来ない私。



わかったから、分かったから早く離れて。



「約束だからな。今度またそんな発言したらお仕置き。何にしようかな?」



こわっ!絶対にもうタラシ発言だけはしないでおこう。機嫌の悪かった顔は意地悪な表情に姿を変えた。


それから亮輔さんは話を切り出したんだけれど別に特に話したい内容があったとかではなく、ただ私と話したかったらしい。
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