ただ、君の隣にいたいだけ
「あっ、お帰りなさい」



「ただいま。あっ、花菜ちゃんどうせまだ寝ないでしょ?話、しない?部屋で待ってるからコーヒー牛乳入れておいでよ」



「えっ?へ、部屋?」



「そう。待ってるから早くおいで」



ガチャンと音を立てて閉まるドア。えっ?部屋?部屋なんて無理無理。な、何考えてるの?あの人。行かない、行かない。


私はコーヒー牛乳のお代わりを入れてまた就活するんだから。就活・・・する。



「あっ、花菜ちゃん。遅いよ。でも、俺のコーヒー牛乳も入れてきてくれたんだ。ありがとう」



私はバ花菜だ。なんだかんだ警戒してたくせに結局二人分のコーヒー牛乳を片手に彼の部屋を訪ねてる。


まあこんなグリーンのTシャツに思いっきりゾウのイラストと英語でパオーンなんて書いた女襲うわけないよね。小さなテーブルの上にコーヒー牛乳を置いて、亮輔さんの隣に少し距離を開けて座った。


それに亮輔さんなら女の人になんて困るはずもない。どうせ、今だって女の人のところに行ってきたに違いない。
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